会長挨拶
2023年7月3日(月)日本薬学会長井記念ホールにて日本薬系学会連合の設立総会が開催され、「日本薬系学会連合」が正式に発足しました。日本薬系学会連合は「薬」を キーワードにした学術団体を束ねる本邦初の連合体であり、同設立総会では会則が承認され、設立が宣言されました。近年、科学の著しい進歩に伴い専門分野の細分化が進んでおり、薬学関連領域でも新しい学会が多数設立され、各学会は活発な学術活動を展開しております。一方で、我が国の科学力の著しい低下や博士課程進学率の低迷など科学界全体で解決すべき課題が山積しており、生命科学と医療の一翼を担う薬系の学術団体も関連学問領域全体を俯瞰して分野を超えた議論の場が必要と考えられます。しかしながら、「薬」をキーワードとして種々の学術団体を束ねた連合体あるいは協議会が存在していなかったのが現状でした。
医療系分野におきましては、既に日本医学会連合、日本歯科医学会連合、日本看護系学会協議会が設立されており、いずれも一般社団法人として医学、歯学、看護学の各領域における課題を学協会の枠を超えた当該領域の共通の話題に関する議論の場を設けております。以上のような状況を踏まえ、日本薬学会および日本医療薬学会のメンバーからなるワーキンググループが設置され、その後、約2年半の準備期間、合計7回の会議での議論を経て、無事「日本薬系学会連合」を設立するに至りました。「日本薬系学会連合」は、広範な専門性を有する薬系学会の相互交流と連携を図り、薬と健康に関する科学及び技術の研究を促進することにより、わが国の薬学の水準を向上させ、医療および健康増進に貢献することを目的にしています。今後、日本薬系学会連合は種々の事業を展開する予定ですが、わが国の薬学界の益々の発展に貢献したいと考えています。
日本薬系学会連合
会長 高倉喜信